今までの相続法にも、被相続人に対してその生前に無償で介護や看護などをしていた相続人には相続分を上乗せすることができきる「寄与分制度」はあった。しかし、例えば被相続人の配偶者が介護を行なっても”法定相続人”には当たらないため、寄与分制度を受けることはできなかった。
そこで今回新設されたのが、無償で療養看護などを行なった相続人ではない・6親等以内の親族や・3親等以内の姻族が、相続人に対し金銭を請求できる「特別寄与料制度」だ。
請求は協議によるが協議が成立しないときは、相続の開始を知った時から6か月又は相続開始の時から1年以内に家庭裁判所に特別寄与料を請求することになる。
しかし、特別寄与料制度を利用した対価の金額については争いとなる可能性が高いと言われており、支援をしたのかしていないのかの線引きも当事者間以外では難しく、親族間でのやり取りが不足していると、寄与分を請求する際に争いが生じてしまう。
また、保護される対象者が増えたことによりこれまでの「法定相続人」に対する一定程度の補償が正しく行われるかについても問題となるのではないかとの心配もある。
相続でもめるのは、遺族間の気持ちが問題となることが多く、請求することが相続人間のトラブルの種にもなりそうだ。
法改正に伴い、介護に対する寄与が認められやすくなったとはいえ、そのプロセスにはこれまで以上に気を配る必要がありそうだ。
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