「夫が育休から復帰後2日で、関西への転勤辞令が出た。購入した新居に引っ越したばかりで子どもは来月入園。何もかもありえない。不当すぎる」。
カネカの元社員の妻がツイッターで、夫が育休取得直後に転勤を命じられて、有給も取らせてもらえず退職に追い込まれたことを告発。炎上し議論を呼んでいる。
当該元社員は、居住地域の労働局の「転勤自体は違法性がない」が「介護や育児などで従業員の不利益になることであれば会社と交渉できる」というアドバイスを受け、人事に相談するも「日程をずらすのは難しい」、労働組合も「日程の変更はできない」という意見で、東京労働局から「違法性はないが、モラルの問題。どうしても会社に残りたいのであれば仲裁に入る」との提案があったが、結局、そのまま退職している。
会社が退職日を一方的に指定したり、従業員からの有給休暇の申請を拒否していたとしたら、明らかに法律(民法、労働基準法)違反である。
カネカは「育休に対する見せしめではない」「育休を取った社員を特別扱いできず、対応は適切だった」「法的に問題はない」と広報文を発表したが、批判は収まるどころかますます過熱している。
背景には「ワークバランス」を重視する流れや危機管理体制の不備がある。
今回問われているのは、社員をどのように扱うかという企業姿勢だ。法的には問題がなくても、社会的な視点を欠いた対応はSNSや報道を通じて広がり、企業イメージは大きく低下。採用面だけでなく業績にも悪影響が出る可能性がある。カネカの株価が年初来安値を更新していることが一連の告白ツイートに関連しているのではという声も上がっている。
社員らによるSNSの書き込みは今の時代あるものとして想定しておくべきリスクである。
少なくとも今回のカネカの炎上対応を見る限り、法律の専門家のアドバイスはされていても、炎上対応や広報上のアドバイスを受けているようには見えない。
弁護士は、さまざまな法的トラブルを解決できるが、そのジャンルは非常に幅広く、弁護士によって得意分野が異なる。そのため、1人の弁護士がすべての事案を得意とするわけではない。ネット炎上の対策や対処の依頼をするのであれば、ネット炎上事案を得意とする弁護士を選ぶことが大切なのではないだろうかないだろうか。
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